滋賀県にある小野神社のしとぎ祭は、神様に「しとぎ」を捧げる祭事です。
「しとぎ」とは、水に浸した米をついて米粉にしたのちにそれを水で捏ね固めた食べ物で、小野氏の先祖が作り始めた、餅やお菓子の元祖だとも言われています。そのため、小野神社は全国の製菓業界から信仰されています。
たくさんのしとぎを神前に供え、社の前には石で作られた鏡餅が置かれます。境内での儀式を終えると、集落の代表者たちが控える集落の一角で注連縄にしとぎを通して再び祈りを捧げ、それを終えると、しとぎは見物客に縁起物として配布されます。
慎ましい規模の祭事ですが、地域の大切な行事として代々語り継がれており、非常に貴重な祭りです。