中沢の稲荷神社で10月の祭礼の際に奉納される踊りで、富里市の無形民俗文化財に指定されています。
かつて麦つきをしながらそれぞれが即興で歌った歌詞に、後年、踊りの振りがつけられました。
いつごろから踊られるようになったかは、記録に残っているものがないため、始まりは不明です。
もともとは農作業中に歌われた作業歌で、歌詞はその場の雰囲気で即興的に口ずさんで作られていたものでした。
現在は「中沢麦つき踊り保存会」により継承されており、神社の祝日の10月17日に、早朝から準備が進められ、神事である「湯立」が拝殿前で執り行われた後に奉納行事として踊りが行われています。
今はカセットテープに録音した歌に合わせて踊っていますが、踊りが始められたころは祭りが夜に行われていたので即興の歌と共に延々と続けられていたのだそう。
歌の内容は、農作業のつらさなどを題材にしたものの他、男女の仲などを歌ったものもあり、農作業をパワーに変える力があったように感じます。
早朝の短時間にしか行われませんが、この農民文化を今に継ぐ、伝統ある踊りをぜひご覧になってください。