京都の虚空法輪寺では毎年3月10日、芸能・技芸の上達を祈願する「芸能上達祈願祭」が開催されます。本尊・秘仏である虚空蔵菩薩(ほくうぞうぼさつ)は降臨する際、「種々の芸道に長じ、技芸に上達せんと慾し」などと祈願する者はわが名を称念せよと説いたとされています。

芸能上達祈願祭ではまず仏事が行われ、その後狂言大蔵流・茂山忠三郎社中による狂言が行われます。狂言は能とともに猿楽を起源とする伝統芸能で、猿楽の滑稽な物真似を洗練させた庶民的な喜劇・笑劇です。

同寺では技芸上達の御守りの授与もあり、この機会にと多くの参詣の人々で賑わいます。