東京都北区の王子本町に鎮座する神社「王子神社」は、元亨二年(1322年)に領主豊島氏が熊野より当社を勧請し、以来、熊野信仰の拠点として尊崇を集めました。徳川時代、初代家康公は天正十九年(1591年)に将軍家祈願所と定め、それより「王子権限」の呼称で江戸名所の一つとなりました。

毎年、この王子神社では8月10日直前の日曜日に例祭が行われ、それに伴い伝統芸能である「王子田楽」が奉納されます。花笠を被った舞童が小太鼓、ささらを持ち、陣形を変えながら笛や太鼓にあわせ踊る北区の無形民俗文化財です。