山形の河北町に、大町観音堂という小さなお堂があります。
いつ建立されたのかは明らかではありませんが、観音堂は高円坊の鎮守として、貞亨年間(1684~87)に観請されたと推定されています。

御本尊は、銅像十一面観音像という頭上面を十二面とする珍しい像で、鎌倉時代に作られ、町の指定文化財になっています。
二十一年ごとに御開帳される秘仏で、「一夜千日様」と呼ばれ、一晩お参りすると千日の霊験があるとされ、住持には多くの参拝者で賑わい、道には露店が多く立ち並んだといいます。
五年前から、昔の賑わいを取り戻そうと、河北町中心街活性化促進協議会と地元の人々の努力により、毎年8月9日に例祭が行われています。