「寒さも気多のおいでまで」という言葉が能登に伝わっています。
これは、能登生国玉比古神社(のといくくにたまひこじんじゃ)で行われる平国祭り、別名おいで祭りが3月下旬に行われることを意味します。

この祭りは、大己貴命(おおなむちのみこと・大国主命の別名)が能登の大鷲や大蛇など人々に害をなす化物を退治し平定していった道のりをなぞる祭です。
3月18日に羽咋の気多大社を神馬・御輿などの一行が出発し、21日に能登生国玉比古神社などを訪れたのち、邑智平野をまわって気多大社へ帰るという5泊6日の神様の盛大な旅は、まるで古代へタイムスリップしたかのような雰囲気を見る者に味わせてくれます。

大己貴命の一行が沿道を通り過ぎるころには、北国でも冬の終わりの気配が感じられるようになり、人々は春の準備を始めるのです。