紀伊山地の山深い黒滝村にある鳳閣寺は、白鳳6年(678)修験道の開祖である役行者が天武天皇の勅命で国家安泰の道場として開いた古刹です。

平安時代になると、宇多天皇による大峰山復興の勅命で理源大師が中興し、一時は大伽藍を擁する巨大寺院であったと伝わっています。

毎年7月になると、火渡りの神事が行われます。法螺貝の音色が響き渡る中、修験者や信者たちは燃えたぎる炎の上をゆっくりと歩き、人々の無病息災を祈願します。