奈良県五條市にあります「念仏寺」は、鎌倉時代に創建された真言宗の寺院ですが、現在は無住寺院となっており、境内には茅葺屋根の阿弥陀堂が残っているだけです。このお堂は、松明をかざして飛び散る火の粉で身を浄め災いを焼き払う達陀(だったん)の秘法を行うことから「陀々堂」と呼ばれています。

陀々堂では、毎年1月14日に修正会の一環として「死ぬまでに絶対みたい!」と言われる「鬼走り」が行われます。室町時代から受け継がれている五穀豊穣・除災招福の年頭行事です。三匹の鬼が松明を持ってお堂の中を火の海にして走りまわります。そのダイナミックさと珍しさから国の重要無形文化財に指定されています。