南北朝時代、宗良親王を長年にわたってかくまった信濃の豪族・香坂(高坂)の子孫が、戦いに敗れて大川原に落ちのび、南朝方戦死者の慰霊と故国をしのぶため、約600年前頃始めた精霊流しが起源とされています。

8月16日の夜、集落を流れる中野川で行われ、アシガヤを編み上げた長さ3m弱/幅1.5m/帆柱3mの舟3隻に火をつけ、1隻を5~6人ずつの若者が引きながら川を下ります。大岩にぶつかり、深みにはまるなど、数百メートルの難コースを必死に流れるさまは、さながら戦国時代をほうふつさせる勇壮な炎の絵巻となって、見る人の感動を誘います。