千葉県袖ケ浦市の飽富(あきとみ)神社では、毎年1月14日の深夜から15日の未明にかけて「筒粥の神事」が行われます。占う葦の束に詰まった粥の量で、稲・麻・麦・大豆などの農作物の作柄を占う農耕儀礼です。

飽富神社の創建は神代といわれ、ご祭神は宇賀之御魂命(うがのみたまのみこと)で、まさに農耕神であり”お稲荷さん”として親しまれています。

祭礼の形式はまさに古くからの伝統に則ったもので、深夜境内の御粥殿に氏子が集まり、0時を過ぎると地区の青年が裸になって身を浄め、結界の下でヒノキの臼と杵を使って火をおこします。鉄鍋に湯を沸かし米粉で粥を作りその中に決まった本数の葦の束を入れ、粥が冷えたころ取り出して中に詰まった粥の量で作柄を占います。この行事には地元の旧家の関わりが大きく、歴史を感じ厳粛な気持ちになります。