長崎県島原市では、切子灯籠を飾り付けた精霊船の美しく風情のある精霊流し(灯籠流し)が見られます。
この「島原精霊流し」は毎年8月15日に行われている伝統行事です。
かつて島原の乱以降に肥前島原藩の藩主となった高力忠房が、仏教を盛んにしたことで始まったとされています。

島原の精霊流しは長崎市の豪華なものとは趣旨が異なり、実際に精霊船を海に流すため本体は竹や藁を使って頑丈に作られています。
白山地区、森岳地区、霊丘地区に分かれて行われ、担ぎ手は故人の魂を偲びながら「ナマイド(南無阿弥陀仏)」の掛け声で賑やかに船を担ぎ、爆竹を鳴らして町内を練り歩いた後、各地区の流し場から精霊船を有明海に旅立たせます。