毎年3月3日の正午から加太の海に流される「雛流し」神事が執り行われます。この雛流しが「雛祭り」の始まりと言われ、現在の雛祭りの形式の元になっています。

神事は「雛納祭」から「雛流し」へと厳粛に進行します。神事が終わると巫女の手により、人形たちは3艘の白木の小舟に乗せられ、本殿より女性の方々に担がれ桃の花や菜の花が船に積まれていきます。

穏やかな春の加太の海に千羽鶴がまかれ、神の国へと続く道が出来ます。船に山と積まれた無数の人形が、先導する船に引かれ、沖へと向かって波間へ見え隠れする姿を見送る人々からは、手を合わせる人、涙ぐむ人、俳句や短歌を詠む人、様々な思いが交錯します。